今年の「立夏」は五月五日の「こどもの日」です。「立夏」という意味は「夏が始まる日」を意味しています。今頃のこの時期は、春から夏に変わる季節の変わり目で、こういう時期は「土用」と言います。「土用」は、春・夏・秋・冬と四季の変わり目になりますので、一年に4回も巡ってくることになります。
季節の変わり目に体調を崩す理由
この「土用」は、主に消化器の毒が良く出る時期と言われていますので「何となく季節の変わり目は体調が悪い」と言う方は「消化器の毒が多くて、毒出しをしている」と思ってください。
以前、講演会の質問コーナーで、あるお母さまが「娘が季節の変わり目になると体調を崩します。微熱が出たりして、必ず吐くのです。『冷えとり』を勧めているのですが中々言う事を聞いてくれません。甘党なので消化器が悪いのでしょうか? 」との事でした。
私は「微熱は、体の芯が冷えているので、体が本能的に冷えを解消しようとして熱を出して温めようとしていますし、吐くのは典型的な消化器の毒出しです。消化器の毒も多いのでしょうね。体調が良くない時だけでも少し甘いものを控えて「冷えとり」に取り組んでいただけたら良いですね」とお話しました。その後はどうなったか分かりませんが「冷えとり」に取り組んで下さっていたら嬉しいです。
食べないほうが良い
消化器が悪いと甘いものが好きになりますし、必要以上に食べる(過食)ようになります。いつも口さみしくて「しょっちゅう何かを食べていないと気が済まない」という事になりがちですが、もっと「毒」が多くなってかなり悪くなってくると逆に「食欲が落ちる」という事にもなります。食欲を落として消化器を休ませようとしているのですから、その時は食べないほうが良いのです。
よく「食べられないのは心配だ」と言いますが、現代人は飽食の時代に生きていますので、常日頃から食べすぎをして毒を溜めています。
その為、逆に「今は内臓が欲していないのだから暫くお休みしよう」と思ってゆったりと構えて頂きたいと思います。もちろん、しっかりと「冷えとり」をして内臓の血流を良くして毒出しをしてください。
水分を摂っていれば2週間くらいは絶食しても大丈夫なのだそうです。
例えば「山で遭難をして、2週間何も食べずに沢の水だけを飲んでいて無事に救助された」というようなニュースを聞くことがありますが、人間はそういうものと聞いたことがあります。
病気のときに食欲が落ちる理由
それから、良く風邪を引いたら食欲が落ちたりしますが、食べ物の消化には、沢山のエネルギーを必要とするようです。体の中では、風邪のウイルスと免疫細胞が戦っているのですから、その時に食べ物を入れるとエネルギーが消化の方に沢山取られてしまって、免疫細胞の力が弱くなり、ウイルスとの戦いが長引いてしまいます。その為、体がわざと食欲を落としているのです。無理に食べないで水分だけ摂って、湯たんぽを入れて寝ていたほうが早く治りますし、風邪が嫌がる半身浴を長時間実行すると、より効果があります。風邪のウイルスは、乾燥と冷えを好みますのでその逆の半身浴や湯たんぽが有効なのです。
風邪だけではなく、他の体調不良の時も食欲が落ちたりしますが、その時も風邪の時と同じで、無理に食べないようにする方が効果的です。
「土用」と言うと「鰻を食べる夏の暑い日」と思われがちですが、それだけでは無いという事ですね。
足のトラブルの理由は…
消化器の毒は、特に足(膝・股関節・足首)に出やすいようです。これは、古代の縄文時代などは、自分で歩いて食べるものを探しに行かなければなりませんでした。足が痛ければ歩く事が出来ませんので、食べ物の入手が困難になり、食べすぎを回避できることになります。現代人の中にそういう本能が残っているようで、例えば、お相撲さんは良く足を痛めたりしますが、彼らは体を大きくするために沢山食べるので、どうしても消化器が悪くなり、足に毒が出る事が多くなり、色々と支障が出るようです。
ところで、我が家の一番年上の猫の黒太郎はとても食いしん坊で、体形は太めで、とても甘えん坊です。他の猫がいつもよりちょっと違う美味しそうなフードを食べていると、押しのけて食べるのですが、その後に吐いたりすることが多いので、私はついカッとなって「吐くなら食うな」と怒ってしまいます。
消化器が悪いと性格が甘えん坊になりがちですし、優柔不断にもなるようです。
内臓と性格の兼ね合いも面白いですね。
私も消化器が悪いので、いつも甘いお菓子に手が伸びてしまいます。黒太郎ばかり責められませんね。反省。